本当にやばいよ~っ。
携帯で電話しようにも、あたしはおばさん家の電話番号を知らない。
なんで聞いておかなかったんだろう・・。

本当、自分のドジさ加減には参るなあ・・・。

あたしはそう思いながら、とりあえずこの広いお城みたいな家を出た。

しかし・・・。

「門まで遠っっっ!!!!」

いや、さっき来た時も思ったけどさ・・、改めて?

「敵襲を防ぐためには必要だろ。」

「ぎゃっ!!!?」

「ぎゃって・・・年頃の女が色気ねーな。」

堂島さんは不機嫌そうに、眉を潜めた。

「いっ、いきなり後ろに、たた立たないで下さいっ!」

いつの間に!?てゆうかなんで追いかけてきたの!?てゆうか敵襲って!?あるんですか!現代に!!

「お前急いでんだろ?送ってやるよ。」

「えっ・・い、いいいです!堂島さんにはいっぱい助けてもらったし!」

あたしは手と首をぶんぶんと振る。しかし。

「話してえことがあんだよ。」

「話・・ですか?」

「ああ、いろいろと、な?」

そういって、堂島さんは笑った。・・・目は全然笑ってないけど。

そのこわあああい笑顔に断れるはずもなく、あたしは気がつけばリムジンの中で、堂島さんと向かい合っていた。

「単刀直入に聞く。お前、さっき俺の裸見たよな?」

「えっ・・・」

「見たよな?」

あまりにも単刀直入で、いったん答えに困った。
けど、堂島さんのダメ押しに、

「・・・ハイ。」

と冷や汗だらだらに答えた。

「だよな。まあいい。お前もわかったと思うけど、俺は実は男だ。」

あれ、結構あっさり目な暴露なんですね。

「だけど学校には訳あって女として通ってる。」

「どうしてですか?」

思わず素直に聞いてしまった。

「お前に話す義務はない。」

やっぱりダメか。

てゆうか・・、こうして話してると・・。

「武士みたい。」

「あ?」

「いえっ!何でもないデス!」

今睨んだ!こっち睨んだ!(涙)