「すごい・・。すごいです!」

あたしは、堂島さんが電話をかけた後すぐやってきたメイドさんたちが持ってきてくれた制服を着て驚いた。

まるで新品なんだ。

さっきぐちゃぐちゃにされたのに、そんなのなかったみたいに、本当にほつれ1つない。

「すごいですメイドさん!ありがとうございます~!」

これには感動!
思わずメイドさんの手を握り、熱く感謝を伝えた。

「と、当然のことでございますっ!なんせ麗様の大切なお客様ですからっ!」

メイドさんは照れながらもそう返してくれた。

「おい。」

そんな二人を物騒な声が遮る。振り向くと、大きなベッドに座っていた堂島さんがこっちを見ていた。
股を大きく開いて座るその様は、まさしく男だ。


「あんた、急いでんじゃなかったのか?」

「え?」

そう言われ、さっきの感動から一気に頭が覚醒する。

「ああっ!!」

おばさんとの約束っ!!

「ど、ど、どうしようっ。今っ、今何時っ。あ、あれ、携帯はっ?」

いつも入れている場所に携帯がないっ。

「なにあたふたしてんだアホ野郎。ここにあんだろうが。」

すると堂島さんが呆れ返った顔で、椅子に置いてあったあたしのカバンの上の携帯を指差した。

「ああっ、そうだった!」

あたしは慌てて駆け寄り携帯で時間を確認する。

「嘘・・、もうこんな時間!?か、帰らないとっ。」

おばさん心配してるかもしれないっ。せっかく誘ってくれたのに~っ!
あたしはいそいそとカバンを肩にかけた。

「も、もうお帰りになるのですか?遅い時間ですし、女の子一人では危ないのでは・・。」

「だ、大丈夫ですっ。本当にお世話になりましたっ。」

あたしはペコッと頭を下げて、一目散に走り出した。

「あ、ちょっと・・!」

メイドさんの声も振り切って。