「別にそこまでチョコ好きってわけじゃないし、もらえなくても全然構わないんだけどさ…。アヤが他の男のとこに行くのは、やっぱり我慢できないんだよねぇ」


……は?
なんか今、さらっとすごいことを言われなかった?

あの言い方じゃ、まるで……

ちらっとハジメを見れば、困ったように微笑んでいるだけ。

そこから何かを読み取れるわけもない。


……いやいや。

相手はハジメだ。

あり得ないくらいに“ド天然”のハジメ。

その言動をそのまま受け取ったらいけない。

とにかく落ち着いて…ちゃんと、確かめよう。



「……何それ。意味わかんない。」


そうは思っても、動揺は抑えきれず……

ようやく絞り出した言葉はまるでケンカ腰。


「俺もわかんない。」


睨むように見つめているというのに、へらっと笑うハジメ。


……ダメだこりゃ。