「ギブ＆テイクってことで…よくない？」


あまりにももっともらしく言われて、返す言葉が見つからず、私は再び黙り込んだ。

“超”ポジティブ思考のハジメは、それを“了承”と解釈したらしく……


「じゃあ、決まりね。お互い、練習し合って成長していこうね。」


にっこり笑って、勝手に“決定”されてしまった。


……つまり、流されたんだ。
ハジメのペースに流されてしまった。

私が迂闊だった……



そして、私の意思などおかまいなしに“練習”は始まった。





最初のうちは、よかった。


デートの真似事みたいなことにつき合えばよかっただけだから。

所詮、こんなもんだよねって安心してたのに……

いつのまにか、それは“真似事”ではすまなくなってしまった。


私が、そんなふうに割りきれなくなってしまった。



生まれてしまったキモチは、もうごまかせない。



だから、いい加減やめるべきなんだ。

これ以上、関係が進んでしまう前に……

キモチが大きくなる前に……