〔美優〕
今日であたしは退院。

拓斗は休みを取ってあたしのお世話。

傷も塞がったけど、跡は少し残っている。

「忘れ物は無い?」

「うん ありがと わざわざ休み取ってくれて」

「だって、美優の傍に居たかったし」

「\\\」

「可愛い」

余計に赤くなるあたしを見て、拓斗はクスクス笑う。

「もう~~~!!」

「ははっでも、この病院じじぃの時から女の治療は女がやることが決まってんじゃん?」

「まぁね? よっぽどの事がない限り」

「だろ?でも、じじぃがこういう制度作ってくれて、本当によかった」

「何で?」

「背中でも、男に見せたくねぇから」

「拓斗は、見たよ?」

「俺はいいの それに、もっと際どい所も見たし?」

「\\\」

いつもいつも拓斗は、あたしが恥ずかしくなるような事を言う。

「はい、乗って」

いつの間にか、拓斗の車の前。

ドアを開けて、乗せてくれる。

「ありがと」

こういう紳士な所にも、キュンとくる。