急いで病院内の、手術室へ運ぶ。

歪んだ車体の一部が、美優の背中に突き刺さっていた。

だがすぐに勢いで抜けたため、血が噴き出した。

このままじゃ、確実に美優は出血多量で死ぬ。

考えたくなくても、その考えが思い浮かんでくる。

美優はB型。

俺もB型。

俺の血を輸血していいか、すぐさま検査。

俺の血は、美優に合ったみたいだった。

俺は自分で、死なない程度に血を取った。

けれど死ななくても貧血で、そのまま倒れた。



「んっ・・・」
目覚めると、俺はベッドの中。

美優のことが気になり、先生を探しにいく。

「あっ先生、美優は!?」

「大丈夫です 何とか一命は取りとめました」

「どこですか!?」

「落ち着いて 2階の102号室」

「ありがとうございます」

俺は先生のくせに、院内を走ってやっとたどり着いた。

ドアを開けると、美優の家族が居た。

「こんにちは」

「こんにちは 君が拓斗君?」