「でも、マジで嬉しい」

「あたしも」

「忘れてた」

「え?」

「婚約指輪 手、出して?」

「うん」

拓斗が優しく嵌めてくれた。

あたしの指にはキラッと光る小さなダイヤが付いた指輪が。

「大きいダイヤもいいけど、これくらいがちょうどいいだろ?」

「うん」

その後は、気が済むまでずっと二人で夜桜を見ていた。




〔拓斗〕
そして、今日は俺らの結婚式。

6月8日俺と美優の誕生日の間。

美優が出てくるまで待つ俺は美優と恋人だった期間を思い出す。

ライバルが出たり、二人で誕生日を祝いあったり、美優が事故にあったり、クリスマス、お正月、バレンタイン、ホワイトデー。

辛い事も悲しい事ともいっぱいあった。

でも、2人だから乗り越えてこれた。

これからまた、色々あると思うけどゆっくり2人で乗り越えてゆきたい。

「要拓斗あなたは萩原美優を妻とし、健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、これを愛し、これを敬い、これを助け、生涯変わることなくあいすることを誓いますか?」