「レイ!!」



そこには携帯電話を握りしめた血まみれのレイが倒れていた。



鮮やかな白の携帯電話は赤く染まっていて、腕や掌、上半身、顔にまでその赤は拡がっていた。それだけで気持ち悪くなった。けど、そんな場合じゃない。



急いで彼女を抱き起こし必死で名前を呼んだ。



ダメかと思った。でも微かな温かさを感じた。息もしていた。



―――レイは気絶していた。



レイの身体についてたのは彼女の血じゃなかった。彼女は出血していなかった。



ひとまず安堵する。




じゃあ、この血は…




この血は一体誰のものなんだ?



床に拭き取られたように伸びている血の跡を追ってみればそれはリビングから続いていて。



「リビング…」