―――笑って 「私、お嫁に行けないかも」 「え?」 タツキさんの隣に行き、彼の手を握る。私よりもゴツゴツとして大きな手。でも優しい温もり。 「傷のせいでお嫁に行けないかも」 「え…あ…ごめん…」 「ふふ、謝るくらいなら」 「……謝るくらいなら?」 彼の腕を引き寄せ、背伸びをして頬にキスをする。 驚く彼の耳元で私は言ってやった。 「私のことお嫁にもらって下さい」 タツキさんは私の唇が触れた自分の頬を障り――笑った。