「DNA鑑定どうだった?」



ああ、そうだ。言うのを忘れていた。



お兄ちゃんが意識を取り戻した後、おじいちゃんはお兄ちゃんに全てを伝えた。自分を連れ去った犯人が、お父さんとお母さんを殺したということ。もしかしたら、お兄ちゃんの父親は犯人である八神かもしれないということ。



だいたい予想はついていたらしい。お兄ちゃんが監禁されていた時、八神から教えられたのかもしれない。何かしらの事実は八神から伝えられたんだろう。



監禁されていた時、八神から食事を与えられていたというんだから。言いたくはないけれど、お兄ちゃんを生かしておく意味なんて八神からすればそれしかないんだから。



おじいちゃんは、父親が八神だとしてもコウタは大事な孫だと言っていた。私も。お兄ちゃんと血が半分しか繋がっていないとしても、大事な大事なお兄ちゃんに変わりはない。



「ふふ」



「なんで笑っているんだよ」


ここで、なんと言ってもタツキさんは受け止めてくれるんだろう。



「“ちゃんと”お兄ちゃんでしたよ」


そう言えば、タツキさんも笑った。



「そっか」