後悔なんてするもんか。悔やんでいたら何も始まらない。 お父さんとお母さんが逝ったのは事実なんだ。変えることが出来ない紛れもない事実。忘れてはいけない。 記憶から消してはいけない。消えないように。消えてしまったら、忘れてしまったら、 お父さんとお母さんは本当に死んでしまったことになる。 私に出来ることを。 「そういえば、」 「どうしたんですか?」 タツキさんが思い出したように言った。