「バイトがあるって分かっているんだったらきちんと目覚まし時計を掛けたりしたり横にならないようにしたり。レイ、髪の毛やっている時間なんてないんじゃないの?」




掌を腰に当ててあたしを見るお母さん。その姿は仁王立ちとでも云うんだろうか。



横目でチラリとお母さんを見れば、呆れたようにため息を吐いた。




「ったく、レイは。もっとメリハリをつけた生活が出来ないのかしら」



「(っるさい、ばばあだなあ…)」



「なんか言った!?」



「イイエ、何も」



地獄耳なお母さんだな。聞こえてたのか。わざとらしく返事をしながら急いで支度をする。