死ぬってこういうことなんだ。



足が動かなくて。身体の重さが鉛のように感じる。



「あ…っ…」



言葉が出ない。怖い。怖い。怖い。怖い。



八神さんは刃物をちらつかせ、獣のように近づいてくる。



「君のお母さんも同じように怖がっていた」



にやりと楽しそうに笑う八神さんを恨む。こんなことしても何も変わらない。分かっている。でも、怒りが込み上げてくる。



「なんで!なんで!殺したの!」



泣き叫んだ。もう止まらなかった。お母さん、お父さん。怖かったよね。死にたくなかったよね。



残して逝く辛さが今分かる。