「叫んでも無駄だよ。レイちゃんは知らないけどね、今日は臨時休業なんだよね。さっきの子は、もう帰っているよ」



最悪だ。最悪だ。結局私はダメな子だ。最後まで何も考えなしに。1人じゃなにもできない。



じりじりと八神さんは距離を詰めてくる。私はただ後ずさることしかできない。



八神さんは、私が逃げないように出入り口の前に立ち私の逃げ道を塞ぐ。



そして気づいた。ブラインドが下げられていて、外からはこの中の様子は見ることが出来ない。



従業員出入り口のドアノブを手に取りまわすけれど、いつのまにか鍵がかけられていて外に出ることが出来ない。




――――逃げ道がない