「俺が本当に犯人だったらどうするの?」



「あ…」



そうだ。私はここで大きな間違いをしている。



「まあ、確証はないんでしょ。犯人“だと思った”からここに来たんでしょ」



やばいやばいやばい。急いで席から立ち上がる。何も考えてなかった。八神さんが犯人なら――――お父さんとお母さんを殺した犯人なら…



「随分と無鉄砲な子だよね」







八神さんの手には包丁が握られていた。





「……やだ…」



そうだ。私はあの場にいなかっただけで、いたらお母さん達と一緒に殺されていた。