走り続けた先には――
「あれ?レイちゃん。どうしたの?」
―――八神さんの喫茶店
息を切らして店内に入ってきた私を見て目を見開いて驚く八神さん。店はまだ開店前。お客さんはいない。
「大事な話があるんです」
そう言った私を八神さんは不思議そうに見ながら、店内にいた従業員に席を外させた。
「まあ、とりあえず落ち着いて」
八神さんは、私にカウンター席に座るよう促し紅茶を出してくれた。
呑気な声で、どーぞーと言ってくるけど私はとてもそんな気分じゃない。
「どうしたの?飲まないの?」
以前は、この紅茶大好きだったのに。