アキさんが帰られてから、私達はゆっくりと朝ご飯を食べていた。



「しかし、美人だったなあ」



幸せそうにサンドにかじりつくリュウくんを横目に、私はレモンティーに口をつけた。リュウくん、鼻の下がデレデレ。何だか複雑。



「このあとは真吾ん家に行くんだろ?」



リュウくんは当たり前のように言うけれど。



“後悔しないで”



アキさんの言葉がリフレインする。後悔したくない、お母さんとお父さんを殺した犯人を知りたい。お兄ちゃんに会いたい。



知れるのなら、会えるのなら、何だってするって決めてきた。リュウくんやタツキさんがそんな私を支えてくれるから。



けど、今は真実を知るのがとても怖い。寸前で立ち止まってしまう。臆病な自分。



「レイ?」