「気になったままなの」 アキさんは一つ一つ言葉を紡ぐ。朝の喧騒はいつの間にか消えた。お店には私達だけ。 「下條は何故あんなことを言ったのか。本当か嘘か気になったまま。訊けないままなの」 訊けないままとアキさんは言ったけれど、訊けないのが当たり前だと思う。 いくら心に引っ掛かっているものを取り除きたいからって言っても、相手のことを考えなければ意味がない。自分の利益だけを考えちゃいけない。 それは弱いことでも何でもない。人間として当たり前のことだと思う。 「レイちゃん」 「はい?」