「分かんないんだよー!」



髪をぐしゃっとかき上げ、眉を下げて笑う。あまりに潔い態度に私は拍子抜け。



「あはは」



その姿に思わず笑ってしまう。リュウくんらしい。純粋で素直。それに私は何度救われてきたか。



でも、笑ってはいられない。


「えーと、四月一日は平日だったよね」



私は同意を求めるようにリュウくんに言った。



「ああ。火曜日だったよな」


あの日は平日の火曜日。お父さんは珍しく仕事が休みだった。自分から有休を取ったという。



その日に殺された。



「下條さんもお仕事あったはずだよね?店長さんだってお店に出るはずだよ」



「普通に下條だけ休みだったんだろ」



「そうかもしれないけど」



……気になる。