「XX町って知ってるか?」






―――リュウくんの言葉に息を呑む。



「知っている」



そこは真吾が住む町。真吾が何か関わっているっていうの?



「下條のキャバクラがそこにあるんだ。住んでるところも」



真吾のことじゃないのか。ホッと息を吐く。これ以上離れる人は出てほしくない。



それにしても、下條さんのキャバクラがそこにあるとは思わなかった。



雨の中走り続けたせいだろうか。ずいぶん遠いところまで来たと見慣れない町並みを見て思ったけれど、まさか隣町だったなんて。



「まあ、隣町は県で一番栄えているからな。レイ分からないのも当然だろう」