やべえ、笑いが止まらねえ



―――PM02:11



ざまあみろ。ざまあみろ。ざまあみろ。



窓から肘を出しながら口を押さえて必死に笑いを堪えていたら、後ろの車からクラクションを鳴らされた。いつの間にか、信号が青に変わっていた。



やべえ。すぐに車を走らせる。




―――――…



《俺、どうしたら良いか分からないです。レイのこと好きなんです。何で…どうして…》



俺にどうしろっていうんだ。



レイがタツキに、別れを告げたという。あんなに好き好き言っていたレイからの突然の別れ。



よくよく考えればタツキも分かるだろうに、余程気が狂ったのか俺に電話してきた。



俺に電話してもどうにもならないということは、タツキ自身が知っているはずなのに。


『まあ、レイの意志だから俺はどうすることも出来ないよ』



嘘偽りはない。俺は本当にどうすることも出来ない。事実を言っただけ。



《でもレイは何で突然!》



『よく考えろよ。


お前の為に別れを告げたんじゃねぇの?』