「四月一日」 うそだ。うそだ。 「俺はとことんダメな男なんだ。ここぞって時に彼女を守ることが出来ない」 冷や汗が流れる。心臓の音がうるさい。 「レイちゃん?」 私の様子を気にして下條さんが声を掛けてくる。 あの日、お父さんとお母さんに最後に会った人はどこの誰だか私は知らない。 でも分かった。 「下條さんだったんですね」 お父さんとお母さんに最後に会ったのは下條さん。 “客が来るらしいし” ――――“お客さん”は下條さんだったんだ。