「よく俺ん家来て食べてたんだよ。俺、料理とかお菓子作るの好きでさ。俺は作り専門で君のお母さんは食べるの専門だった」 下條さん懐かしむように笑った。 お母さんと下條さんは相当仲が良かったらしい。そこから恋にならなかったのが不思議でならない。 ………“何か”があったんだよね。 「モテてたんだよ〜」 「お母さんがですか?」 「うん。小学校くらいから告白されてね。人気者だった」 嘘っぽい話。クスクスと笑う私に下條さんは唇を尖らせて言う。 「本当だって。高校の時なんてすごかった」