「ほら早く着替えちゃいな」
そう言って下條さんは更衣室を出ていった。
ここで着替えるんだな。近くにはキャバ嬢さんたちが2・3人。
キャバ嬢さんたちもさっきの話聞いてたんだよね。
「元カノの子供ねぇ〜、キツいわ。キツい」
上下、金と紺であしらわれたデザインのジャージを着る綺麗なキャバ嬢さんが言った。
「……そういうもんですかね」
「そういうもんよ。だって下條さん結婚してないし。女っ気も全然ないの」
またキャバ嬢さんの一人が答える。
その話を聴きながら私は黙々と着替えた。
下條さんは女っ気がないらしい。もちろん、そっちの気もなくて。
どんな女に言い寄られても決してなびかない。
沢山のキャバ嬢さんに告白されてもOKとは言わないらしい。
毎回それには“一途に想っている女がいるから”と言って断るらしい。

