「えーっと、タオル、タオル」
―――AM11:31
来たのはキャバクラだった。もちろん開店前の。お店の裏口から店内に入り、キャバ嬢と呼ばれる人たちが使っているらしきロッカーの前で立ち止まる。
中にはお店に泊まっているキャバ嬢さんもいて“新入りー?”と、からかわれた。
どうみても新入りではないのに。でも明るく接してくれて嬉しかった。
「はい。タオル」
「ありがとうございます」
真っ白な白いタオルを渡される。それで髪を拭いた。
「あとは、着替えちゃった方が良いよね」
「あっ!いえ。あまり濡れてないんで大丈夫です」
「それで“あまり濡れてない”とは言わないよ。レイちゃん。ほらこれ着て」
渡されたのは淡い紫がかった花柄のワンピースとカーディガン。
それより、
「名前……」
私がそう言うと彼は切なそうに微笑んだ。

