――――――……
走れ。走れ。走れ。
どこに向かっているのか分からない。けど、走った。逃げたかった。目の前の事実から。現実から。何もかも。逃げたかった。
いつの間にか人通りが多いところに来たらしい。
ぽつり、頬に滴が当たる。
上を見上げれば空はいつの間にか灰色に変わっていた。
傘なんて持ってない私は、悪い意味で目立つ。ザアッと激しい音をたて降ってくる雨から逃げるようにまた走った。
髪や服はびしょ濡れで、こんな姿でお店にも入ることは出来ない。
(もう…いいや…)
びしょ濡れでも。何でも良いや。
走るのを止めてゆっくりと歩き出した。
家にも帰りたくない。
誰も私のことなんて気にしていない。1人ぼっちになったみたいで悲しかった。
「おじょーさん」

