「逃げたんだ」



「逃げ?」



おじいちゃんが怪訝そうな顔をした私を見つめる。おばあちゃんも。



ぽつり、ぽつり。精一杯言葉を紡ぎ出す。



「立ち向かうことをしないで…逃げたんだよ。自分の人生のことなのに。入学したなら…三年間きちんと通うべきなのに。逃げたんだ。学校まで頑張れないよ…」



皆の視線が怖いから。なんて言われるのか怖いから。いじめられたり、はぶかれたりするのが怖いから。だから逃げた。



「逃げてない」



「……」



「逃げてなんかいない」



おじいちゃんまで泣きそうだった。いや、泣いていた。



「沢山の選択がある中で、その中の一つを選んだだけだろう?それがたまたま中退という選択だっただけだろう?」



「そうかもしれないけど…」





「逃げたなんて言葉で自分を責めないでくれ」