「ごめん」






さっきまでのタツキさんはどこかへ消えてしまったみたいで、弱々しく謝ってきた。



「なんで謝るんですか?謝ることはないですよ」



「いや…でも、ごめん」



私が謝ることはないと言ったのに、それでもタツキさんは気にしているみたいで。





タツキさんは私たちだけで情報を共有していても意味がないと考えたらしい。



――警察を味方につけようとした




私たちだけじゃダメだと思った。わざわざあんなに挑発的に言ったのは“すがる”という行為じゃ警察は味方についてくれないと思ったんだ。



躍起にさせたいんだ。自分より人生の半分も生きていないガキにあんたことを言われたら嫌でも“真犯人”のことを捜査するだろう。



お兄ちゃんのことを犯人だと思っていても、お兄ちゃんが犯人だという証拠を集めるだろう。



タツキさんは賭けにでた。私のために。