背広を椅子に掛け喫煙所となっている自動販売機コーナーに行く。



ポケットから煙草と使い捨てライターを取り出す。1本、口に加えて使い捨てライターを弄るが中々火がつかない。


「ちっ……」



使い捨てライターをごみ箱に投げ入れ長椅子に無造作に置かれていた高そうなライターで火をつけた。



(忘れもんか?)



じっとそのライターを見つめる。俺もちゃんとしたライター買うかなと考えていたら、喫煙所にまた1人入ってきた。




「―――中野さん!」



「龍?」



ああ、やっと見つけた。というような安心と呆れが混じった顔をする龍。別にお前に探してもらう用なんて無かったはずだけど。