私は、この人を頼りに来た。


お兄ちゃんのことを知っているんじゃないかって。でも会ってないとなると…。



「警察が来ると思いました」


「え?」



「携帯電話の記録からすぐ分かるだろうと思いました。ちゃんと話さなきゃいけないと思いました。でも来たのは、あなた達だった。私があの日コウタと会っていれば、コウタは巻き込まれることはなかった。……本当にごめんなさい」



「謝らないで下さい!」



櫻井さんが謝ることはない。彼女のせいじゃない。すべては犯人のせいだから。私の家族を奪った忌々しき犯人のせいだから。



それに“巻き込まれることはなかった”櫻井さんはお兄ちゃんが犯人じゃないと思っている。それだけで希望が持てた。



「櫻井さん」



「はい?」






「コウタさんの携帯電話、電源切られたままでどこにあるか分からないんですよ」



―――空気が変わった。タツキさんが踏み込んだ話をする。