こんな言い方をするタツキさんを初めて見た。まくし立てるような言い方。 「でも俺、分かんねぇよ……ごめん」 真吾は本当に申し訳なさそうに言った。それに私は大丈夫と首を振る。 「真吾は悪くない…」 そういうと真吾はジーンズのポケットから携帯電話を取り出した。 「コウタの高校に知り合いに訊いてみるよ」 「え…あの…」 「大丈夫。そんなにくわしくは訊かないから」 タツキさんは余計な噂が広まるのを懸念したらしい。