「どちら様ですか?」 ――AM10:32 (お母さん、かな…) 「あのっ、私――「レイちゃん?」 「え?」 思わずタツキさんと顔を見合わせる。 「レイちゃん?レイちゃんよね?」 「はっ、はい」 「やっぱり!あがって!真吾よね!?真吾〜!」 トントン拍子で事が運ぶ。“お母さん”とは面識はないので動揺する。 向こうは私のことを知っていた。 暫く待っていると玄関のドアが開き、可愛らしい“お母さん”ではなく 「レイ!」 「真吾…」 真吾が出てきた。