病院にいた真夜中。病室の外で警察が言ってた。 “防犯カメラに映っていたんだろ?” 「ただ映っていたってだけで……」 「まあ、そうだよね。そこまで情報を漏らすわけない」 “現場に争った跡はなかった” 「――あと、現場に争った跡がなかったって」 「跡…?」 タツキさんは、ぽつりと呟いた。眉間にシワを寄せ考えるような仕草をする。 「どうしたんですか?」 「いや」 タツキさんはシャーペンを持った。