強くありたい。
「まあ、ゆっくり考えて。俺としては通ってほしいけれど」
どうするべきか。先生と別れて、家までの道をひたすら歩く中で考える。廻る。廻る。考える。
何が自分にとって良いんだろう。
考えても埒が明かない。ちょうどお昼頃に家に着くかなと呑気なことを考えていた。
「レイ!」
だから自分の名前が呼ばれた時は本当にびっくりした。
「タツキさん?」
私服姿のタツキさんは私を見つけると、とてつもない速さで自転車を漕いできた。
「どこ行っていたの?」
不思議そうに私に問いかける。私が出かけていることを驚いているみたいで。

