部屋は変わりないけれど、物の位置が所々変わっている。
それでも綺麗にまとめられていて。おばあちゃんが来たんだなと思った。
本棚の方は、動かされた形跡はない。そこから指で背表紙を追い目的のものを探す。
(あった……)
《レイの成長記録》
そう書かれている表紙を開く。
最初は私が赤ちゃんの頃。それから幼稚園・小学校・中学校・高校。
それにはお兄ちゃん・お父さん達・おじいちゃん達も写っている。
私はどんどん成長していくけれど、お父さん達は年老いてゆく。
アルバムは家族の成長を写し出すけど老いも写し出す。成長と老いの境目なんて分からないけど。
お父さんの髪が白くなったりお母さんの頬にシワが増えたり。それが分かってしまう。
生きているからこそ、老いがくる。
幸せなことだと思う。
一番最後のページを捲る。

