こそこそ、と。ひそひそ、と。



―――AM08:12



私を横目に、わざとらしく口元に手を当てて話す人達。



ちょうど通勤・通学の時間だからか私を見る目は数多く。


驚くというよりは――汚いものを見たという目



“何しに来たの?”


“用はないはず”


“お兄さんでしょ?”


“ふふ、可哀想にねぇ”



雑音が聞こえる。



気にする必要はない。大丈夫。私は何も悪いことはしていない。堂々としていれば良い。



そう自分に言い聞かせて、私は目の前の家をじっと見つめた。