「おはよう、恵子ちゃん」 「おはよう、藤山くん」 靴箱の中の上履きに触れるタイミングで彼が話しかけてくるのは、もう日常化したことだ。 違うのは、私が「おはよう」と返すようになったのと、二人の笑顔。 教室までは、藤山くんが一緒に来てくれる。 「あらー、また藤山くんと一緒。愛されてるねぇ」 「うん」 「俺も愛されてるー」 教室の前で由美は、「はいはい、このバカップルが」なんて呆れた顔をして、それに私たちが笑う。 そうしたら藤山くんが悲しそうな顔をして、またこんなことを言った。