頭が少し冴えてきて、急に冷静になってきた。


何してるんだろう、自分。


恥ずかしいな、泣き顔まで見られて。


私の言葉に悩んでいる様子の藤山くんをじっと見つめていると、藤山くんは急に決意したように、真剣な表情で私の両肩を掴んだ。

驚いて目を見開く。




「あのさ、あんまりごちゃごちゃ言うとかえって分かりにくいと思うから、ハッキリ言うね」




藤山くんは一息置いて、私にも分かるくらい大きく息を吸い込んだ。


それを一気に、言葉と一緒に吐き出した。






「俺は、横田さんが好きです。他の奴なんかどうでも良い。俺と付き合ってください。」






それは、




「うん」


「また即答かよ。ま、嬉しいけどさ」




それは、私のくだらない悩みとか迷いとか、そんなものを吹き飛ばしてもお釣りが来るくらいの価値のある言葉で、


それは私をどこまでも幸せにしてくれる笑顔だった。




『好きです。』