「静かにして。警備が手薄になってるけど、どこに誰がいるか分からないから」
「ああ、すまん」
「やーい、怒られてるー」
ジュリアがバースを指差し笑う。バースは怒鳴りたい衝動を押さえ歩き続けた。
そして三十分ほど歩いた時、一つの梯子の前でケリーが止まって上を見上げる。
「この上がゲインの屋敷に繋がってる」
それを聞きバースは梯子に手をかけた。
「私が先に行く。お前等は後から来い」
梯子を登りきり蓋を開ける。そこは庭らしく、周りには人の影はない。