神人~禁断の地~

「……」
ケリーは何も言わなかったが、バースには分かった。
「ゲインが許せないなら、街を出ればいい。それこそ、セイカに住めばいい。けど、あんたは街を離れたくないんだろ?好きだから」
するとケリーは小さく頷いた。
「そうよ…。両親との思い出が残るこの街を離れるなんて嫌よ…」
ケリーの瞳から涙がこぼれる。バースは小屋の扉を開け、
「ならあんたは待ってろ。街を戻す為」
「どこ行くの?」
「ここにいたらあんたに迷惑かけるだろ?大丈夫。見付かったりしないよ」
そしてバースは小屋から出て行った。