神人~禁断の地~

すると女は小さく頷いた。
「おい、やっぱり分からないんだろう?」
男がニヤニヤと笑みを浮かべながら言う。バースも笑みを浮かべ、
「バーカ。自分の女の名前を忘れるほど旅に出てねーよ。こいつの名前はケリー。そうだろ?」
「……」
何とか正解したらしい。バースはとりあえず息をついたが、男達が険しい顔で腰の剣を抜いた。
「とにかく、そいつはゲイン様に嫁ぐ女だ!渡せ!」
「どこに自分の女を渡す馬鹿がいるんだよ」
「なら死ぬか?」
男が剣を構える。