「今は平和になったが、当時はとても酷かったよ」
男が思い出すように呟く。バースは男に向く。
「そんなに酷かったんですか?」
バースはその事件に関わっていなかった。当時バースは扉を守っていたから。
男は街の空を見上げ語り出した。
「当時、この街に魔獣が攻めて来たんだ。その魔獣を討伐する為に神人が数人やって来たんだが、その中の一人が突然街を壊し始めた。その神人は他の神人に押さえられたが、街は見る影もなく崩壊した…」
「……」