『何。』 雨宮の突然の言葉に、ビクッとなった。 「へ?」 『タイトル、その映画の。』 「あ、ああね。"幽霊を見た!"だよ。」 『何その、家政婦は見た!的なノリ。』 「知らないし、映画監督に聞いて。」 なんだそれ、と興味無さそうな瞳、参考書に戻る視線。 ――そのことに、悲しくなる私は理解不能。 彼に見られれば、胸が高鳴る。 彼に見つめられれば、熱が集まる。 この、私の作用はなんだ。 .