『…ねぇ、』




と言われて、頭からヘッドホンが取られた。圧迫感が無くなる。




痛い、髪引っかかってるってば…。



ガバッと、頭を上に仰け反らせれば、眼鏡をかける無駄に整った顔の男が、私を上から見下ろしていた。




「なんだ、雨宮も見たいか。」

『宮村のヘッドホン、壊れてない?』


「いいよー、見なさい見なさい。」


『謎の音声が、漏れまくりなんですけど、』




てか、話聞いてないだろ。と漏らす彼。




「じゃあさ、いっそのことヘッドホン無しで見ていーい?」




と言って、ノーパソを指差す。



『耳障り、絶対ダメ。』


「私、ヘッドホン苦手なんだよねー。いいじゃん、一緒に見ちゃおーよ。」



ハハハと笑う。



『……』



それと比例して、無言になる彼。




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