全く…なんて女なんだ。



あんな治安の悪いとこに女一人で行く。
しかも、組の奴らに食ってかかる。

向こう見ず過ぎて、正直こっちはひやひやもんだった。



男が拳を上げた時、腹の底から沸き上がる怒りと同時に心臓に冷や水をかけられたような今まで感じたことのない気持ちにさせられた。



あいつにケガがなくて本当に良かった…



俺がたまたま通り掛かったから良かったが、あれは単に運が良かったというしかない。



京輔に呼び出されなければめったにあんなとこに顔は出さなかったしな。



………あいつら、やっぱり半殺しにしとくべきだったか…