借金取りに捕らわれて

「なっ!?そ、そんなことありません!!それに…それに、好きでもない人とキスは…」



そう…好きでもない人と、するべきではないのだ。
どんなにそれが魅力的なキスだとしても…



そう思うからこそ、私は罪悪感から彼から目を背けた。



そんな私の頬に優しく彼の暖かい手が触れる。



視線を上げた先には真剣な眼差しが向けられていた。



「俺は好きだよ。お前のこと。」




「っ!!」




次ぎの言葉は直ぐには出てこなかった。



思いもよらぬ言葉に、声を奪われてしまったかのようだった。



それに、そんな真剣な表情で言われたら私だって勘違いしてしまう…



秋庭さんが本当に私を好きだって…



「で、でもそれは男と女の間にある意味じゃー」




「男と女の間にある意味だよ。さっきも言っただろ。お前みたいな奴好きだって。」