借金取りに捕らわれて

秋庭さんが握る手が熱い。


秋庭さんが触れる頬が熱い。



見なくても分かる。



今、私の顔は真っ赤だ。



この人のせいで赤い。



ありえないくらいに赤くさせられた。



認めたくない、この尋常じゃない胸の鼓動…



認めたくないけど、認めざるを得ない…



だって、思ってしまったから…



私…この人が好きかも…




気づいてしまった気持ちに絶望とも言える感覚を覚えた。



それでも、その絶望さえ甘く感じるのは、気持ちが恋で麻痺しているからなんだろう。



せめてもの救いは、まだ私が好き“かも”って思ったこと。



断定で思ってしまっていたら引き返せない自信があった。