だけど、このままじゃ悔しい…



私は残りの力を振り絞って…




「っ……!!」



秋庭さんは思わぬ痛みに唇を放した。



手も自由になり、私はそのまま力尽き床に崩れ落ちた。



口の中…鉄の味がする…




乱暴に唇を拭い、震えながらも秋庭さんをキッと睨みつけた。



「最っ低ぇー!!」



秋庭さんは怒っている私に構わず近づくと頬に触れた。



私は噛んだ仕返しに、次何をされるのか恐くてビクッと体が小さく震え、ただ彼を睨むだけでもう彼の手を払うことさえ出来なかった。