借金取りに捕らわれて

「そのために来月から親父について仕事を学ぶ。
そしたら隼人と喧嘩なんかしてらんなくなる。」


武寅さんはそう言って小さく笑ったけど、その笑顔も凄く寂しそうだった。


そっか…
だから武寅さんは…


それに、きっと…勝ちたいだけじゃないんだ…
武寅さんは…






なんだか武寅さんを見てると誠ちゃんを思い出す。
あの日の…決意と寂しさが滲んだ目を…

『私は父の後を継ぎます。』

近くにいるのに遠くへ行ってしまった彼の姿を。







「大丈夫ですよ。」





そうよ、まだ大丈夫…





「これからも機会はあります。武寅さんが忙しくなっても。新しい立場になっても。」


「仮に俺が大丈夫でも、隼人がな…」


「今、秋庭さんは忙しいだけです。
だから相手してくれないだけです。
だから、武寅さんが変わっても、秋庭さんはいつでも相手してくれますよ!武寅さんが、変わったことを理由に自分から離れなければ。
だってお二人は腐れ縁なんですよね?」


そう言って微笑んだ私を、なぜか武寅さんは不意討ちで殴られたような顔をして見つめ…

笑みを溢した。


「……ああ、そうだな。」