借金取りに捕らわれて

連れてきてもらったお店は落ち着いた雰囲気のイタリアンレストランだった。

照明を抑えた店内にはテーブル毎に筒状のペンダントライトが天井から吊るされ、その間を縫うように星形や鳥籠形のお洒落なペンダントライトが輝いている。

淡い光に照らされ、ウェイターさんに案内されたのは夜景が良く見える窓側の一番奥の席。






秋庭さんって何者なの?


こんな一番良い席当日予約出来ちゃうし…


お店に入った時、オーナーっぽい人が出て来て秋庭さんに挨拶してたし…


ああ、だめだめ!これ以上知ろうとしないの!


もう会うこともないんだから!











美味しい料理に舌鼓を打ち、お酒のペースも進んでいく。



「これ凄く飲みやすい。」


赤ワインなのにごくごく飲めちゃう。



いつもワインは白しか飲まない私だけど、お店の人がすすめてくれて挑戦した赤は甘くジュースのようだった。




「ヒロ、お酒強いんだな。」




向かいの席に座る秋庭さんもワイングラスを口へ運ぶ。



秋庭さんは見るからにお酒強そうだよね。